NHKの人気番組『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』で放送された「編み物はお金がかからない趣味」という一言が、X(旧Twitter)で思わぬ議論を巻き起こしました。
番組を見ていた編み物経験者たちからは、
「本当に?」
「うそだよ…最初だけだよ…」
「そういうことにしとこっか!!」
と、ざわざわした声が続々と投稿され、まさに“編み物クラスタ総立ち”の状態に。
なぜ、たった一言でここまで反応が広がったのか?そして実際のところ、編み物はお金がかからないのか、それとも「沼に落ちると危険」な趣味なのか?
当記事では、さまざまなリアルな声をもとに、編み物の始めやすさ・深さ・そしてお金事情の真実 をわかりやすくまとめました。初心者の方も、すでに沼の住人の方も、思わず「あるある…!」となるはず。
では、編み物界隈をざわつかせた“NHK発言”の全貌を見ていきましょう。
NHKの「編み物はお金がかからない趣味」発言とは?
今回話題になったのは、NHKの人気番組『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』の編み物特集。“あみぐるみ人気”や“高級毛糸のセーター”、さらには“大相撲の化粧まわし制作”など、幅広い編み物の世界を紹介する内容でした。
その中でカフェで編み物をしてた人と手芸用品店に来ていた人が、「編み物はお金がかからない」と言った一言に編み物経験者の心に大きく引っかかることに。
インタビューを受けた人は「気軽に始めやすい」「手に取りやすい」というポジティブな意味で触れられたと思われます。また、番組でも編み物キットを紹介し、初めてでも安心して編むことができるとしています。
放送後、X(旧Twitter)では、
- 「最初はそう思うよね、最初はね」
- 「入り口は広く、奥に行くほど…」
- 「沼に沈まなければかかりません!」
といった投稿が瞬く間に拡散し、編み物クラスタがざわめき立つ事態となりました。
編み物を長年楽しむ人や、すでに“沼”に落ちたニッターからすると、「お金がかからない」という言葉にどうしても違和感があったようです。
“初心者の入りやすさ”と“経験者が感じる出費”のギャップが、今回のざわつきの大きな原因と言えるでしょう。
X(旧Twitter)で編み物勢がざわついた理由

NHKの放送直後から、X(旧Twitter)では編み物経験者たちの“ざわつき”が一気に加速しました。「編み物はお金がかからない」というワードに、長年編み物を楽しむ人たちは敏感に反応し、タイムラインに次々とリアルな声やユーモアを交えたツッコミが溢れる状態に。
この盛り上がりは、単なる批判ではなく、“編み物という趣味の実情を知っているからこそ”生まれた共感の渦でした。
「お金かからない…?本当に?」という疑念の声
まず多かったのは、番組の言葉に対する素直な疑問の声。
- 「お金かからないか?本当か?じゃあ私の残高は…?」
- 「めちゃくちゃ毛糸代かかるんですよね」
- 「ある程度良いものを使わないと、編みにくくて続かない。」
といった投稿が相次ぎました。
編み物は「少しだけ毛糸と針があればできる」というイメージが一般的ですが、実際は作りたい作品や使う材料によってコストが大きく変わります。初心者にとっては“安い”ように見えても、経験者にとっては「いや、その表現は違う…!」という違和感があったのです。
また、冗談交じりに「『毛糸も編み針も100均で売ってるし~』……ふふ、可愛らしいこと。」といった声まであり、編み物者の間での“あるある”として一気に広がりました。
経験者ほど共感した“沼”の深さ
今回のざわつきが大きく広がった理由の一つが、「編み物は沼になる」という圧倒的な共通認識があったことです。
経験者たちは、編み物を続けていくと
- 棒針も良いものは使い心地や仕上がりが全然違うからね。
- 良い材料の方が快適なのだよ
- 海外製の輪針セットも欲しくなってくるし
といった“道具と素材の沼”にハマりやすいことを知っています。
そのため、「お金がかからない趣味」という言葉が、あまりにも“沼の実態”とかけ離れていたため、経験者は思わず吹き出し、共感し、心の底から「わかる…!」と反応してしまったのです。
実際には、ひと玉110円の毛糸から始まったはずが、気づけば1,000円、3,000円、さらには高級糸や限定品に手が伸びていくこともしばしば。編み物にハマるほどコストが上がっていくという現実が、今回のざわつきの背景にありました。
「そういうことにしとこっか!」の大合唱が生まれるまで
面白いのは、この「ざわつき」には批判的な空気よりも、“自虐と共感の笑い”が主役だったことです。
編み物クラスタの間では、次第にこんな流れが生まれました。
- 「編み物はお金のかからない趣味!(と夫に思わせておこう)」
- 「夫と一緒に観てたのでそういう事にしました(笑)」
- 「お金かからない良い趣味ねって編み物しない人にそう思って貰うのがポイント!」
といった、明らかに“本音と建前”を使い分けたポストが大量に投稿されることに。特に人気だったのが、「そういうことにしとこっか!!」みたいな締めのフレーズ。
本当はお金がかかるけれど、興味を持ってくれる人には優しい入口であってほしい。そして家族には…できれば知られたくない。そんな編み物勢の複雑で温かい気持ちが詰まった“合唱”が、タイムライン全体をほっこりとした空気で包みました。
実際のところ、編み物はどれくらいお金がかかる?

「編み物はお金がかからない」という言葉が議論になった背景には、“どれくらいのレベルで楽しむかによって、必要な費用が大きく変わる”という現実があります。
たしかに、編み物は他の趣味と比べても初期費用は非常に低め。しかし、続けていくうちに「もっと良い素材を使いたい」「もっと編みやすい針が欲しい」など、選択肢が増えることで自然とコストも上がっていきます。
まずは、その“幅”を整理してみましょう。
100均で始めれば“確かに”安い
編み物の敷居が低い最大の理由は、100円ショップの存在です。最近の100均毛糸は質が良く、色や種類も豊富。糸・かぎ針・棒針・とじ針など、必要な道具はほぼすべて揃います。
たとえば、
- 毛糸:110円 × 2玉
- かぎ針または棒針:110円
- とじ針:110円
合計 440〜550円程度で、マフラーや小物なら十分に挑戦できます。さらに、YouTubeの無料動画や図書館の編み物本を活用すれば、学習コストもほとんどゼロ。
この意味では、NHKの「お金がかからない」という表現も“間違いではない”と言えます。
ただし、これはあくまで入口の話。多くのニッターが声を揃えて「最初だけだよ…」と言う理由は、ここから先にあります。
沼ると危険?高級毛糸・海外針・周辺道具の世界
編み物を続けると、誰もが一度は味わうのが「沼」への入り口。この沼には、大きく3つの落とし穴があります。
① 高級毛糸の魅力
100均の糸で十分と思っていたのに、ひと玉1,000円の毛糸を見ると「きれい…」「触り心地が違う…」と心を奪われるようになります。
さらに、手染めの糸や海外ブランド糸に手を出すと、
- 1カセ 2,000〜4,000円
- 色のバリエーションが限定で“出会いは一期一会”
となり、つい買い集めてしまう人が続出。
② 海外製の高機能針セット
国内メーカーの針で満足していたのに、「編みやすさが全然違う!」と噂の海外針(ChiaoGoo、HiyaHiyaなど)を試すと、戻れなくなるケースが多いです。
セット購入で1万円以上になることも珍しくありません。
③ 周辺道具が意外と多い
- かせくり器・玉巻き器
- 目数リングや段数マーカー
- ケースやバッグ
など、便利グッズが増えるほど「もっと快適に編みたい」という欲が湧き、気づけば散財している…という“編み物あるある”。
まさに、経験者が口を揃えて言う「入り口は安いけど、沼は深い」という世界がここにあります。
ウェア制作になると一気にコストが上がる理由
さらにコストが跳ね上がるポイントが、「ウェア(セーター・カーディガンなど)」に手を出したとき。
ウェアは面積が広く、使う糸の量も多いため、
- 毛糸が5〜10玉必要
- 高級糸だと合計1万円前後になることも
- 棒針や輪針のサイズ違いを複数揃える必要アリ
という状態になります。
また、ウェアはサイズ調整やゲージ計算が必須のため、専用の道具(ゲージ定規、段数マーカー、長めのコードなど)が欲しくなるのも特徴。
そのため、経験者の間では
- 「手袋までは良いけど、セーターに手を出したら首まで沼に」
- 「コーンになって、カセになると、かせくり機と巻き機が必要になって…。」
といった声も多く、編み物の“本気モード”がコスト面にも影響してくるのが現実です。
なぜ編み物は「沼」になるのか?経験者の声から分析

編み物を続けていくと、多くの人が口を揃えて「気づいたら沼に落ちていた」と言います。この“編み物沼”は、単なる衝動買いではなく、編み物という趣味の特性から自然と生まれるものです。
編み物は「自分が選んだ素材や道具」を「自分の手」で形にしていく作業。その工程を重ねるほど、品質の違いが完成度や快適さに直結するため、どうしても“良いもの”を求めてしまいます。
実際にXで語られた声からも、沼に落ちる理由は大きく3つに分類できます。
「もっといい糸が欲しくなる」素材沼の罠
編み物を始めた頃は、どんな糸でも「編めるだけで楽しい」と感じます。しかし、慣れてくると糸の違いが明確に分かるようになります。
- 触り心地
- 色の深み
- 撚りの具合
- 編んだときの目の揃い方
- 洗った後の仕上がり
こうした“細かな違い”に敏感になると、自然と「良い糸を使いたい」という欲が芽生えます。
その結果、
- 100均 → 国産メーカー糸
- 国産メーカー糸 → 海外高級糸
- 海外糸 → 手染め糸(1カセ3000円以上が普通)
というステップを踏んでしまう人も多く、これが最初の大きな沼。
特に“手染め糸”や“限定色”はコレクション欲も刺激するため、「買うだけで満足」「見ているだけで幸せ」といった状態に陥るニッターも珍しくありません。
「針セットは一つで充分」のはずが増えていく現象
編み物の道具である針も、沼ポイントのひとつです。
最初は一本のかぎ針や棒針で十分ですが、編み進めるほどに「もっと滑りの良い針」「ワイヤーが柔らかい針」など、
快適さを求めて別のメーカーに手を出してしまいます。
特に“輪針セット”は危険ゾーン。
- 国産メーカーで5千円以上
- 海外メーカー(ChiaoGoo・HiyaHiyaなど)で1万円以上
にもかかわらず、使用感の違いが明確なため、一度使うと戻れなくなる人が続出しています。
さらに、
- 号数違い
- ケーブルの長さ違い
- 材質違い(竹・金属・カーボン)
といった選択肢が増えることで、「気づいたら針が倍増していた」「同じメーカーのセットを2種類買っていた」という“あるある”も生まれるのです。
完成品より“工程の楽しさ”を求めたくなる心理
編み物が沼になる最大の理由は、「作る過程そのものが楽しい」という点にあります。
多くの趣味では「完成したものを使う」「鑑賞する」ことが目的になりますが、編み物は“編んでいる時間”にこそ喜びがあるのが特徴。
- 目が揃っていく気持ちよさ
- 糸の触感
- 編み進めるリズム
- 新しい技法を身につける楽しさ
- 少しずつ形になっていく達成感
こうした要素が積み重なることで、「次はもっと編みやすい針でやってみたい」「この技法ならあの糸を使いたい」と、自然と欲が広がっていきます。
つまり編み物は、“完成品を買うよりも作る工程に価値を感じる”タイプの趣味であり、工程を楽しむほど、良い素材・良い道具を追い求めたくなる――これが沼の根源と言えるのです。
それでも「編み物はお金がかからない趣味」と言いたい理由

ここまで見てきたように、編み物はハマり方によってはそれなりにお金がかかります。それでも、X上では経験者たちが半ばネタのように、「編み物はお金のかからない趣味です」と声を揃えていました。
それは皮肉や嘘ではなく、編み物界隈だからこそ生まれる“優しさ”や“願い”が込められた言い回しでもあります。
その理由は、大きく3つに分けられます。
家族には“そう思わせておきたい”事情
多くのニッターが共感していたのが、この“家庭内事情”。
- 「夫と一緒に観てたのでそういう事にしました(笑)」
- 「沼があってお金かかるだなんて言ってはいけません」
- 「テレビを観ていた家人に「お金の…かからない趣味…?」と疑惑の目を向けられました」
など、Xにはリアルすぎる投稿が多数ありました。
これは単なる冗談ではなく、編み物にかかる費用は“自分の楽しみのための投資”であり、家族に必要以上の心配をさせたくない、という思いからくるもの。
「お金がかからない趣味」というワードは、家族との平和を守る魔法の言葉でもあるのです。
入口は広く、続け方も自由:低コストでも楽しめる実例
編み物が“手軽な趣味”と紹介される背景には、本当にお金をかけずに楽しむ方法があるという事実があります。
実際、費用を抑える方法は多岐にわたります。
- 100均の糸でも高品質なものが増えている
- 図書館で編み物本を借りられる
- YouTubeで無料レッスンが充実
- 小物なら毛糸2玉で十分
- 既存の在庫でしばらく遊べる
こうして見ると、確かに編み物は「最低限の支出」で始められますし、お金をかけるかどうかは “本人の選択”で決まる趣味 であることがよく分かります。
だからこそ、経験者たちも「入口は本当にお金がかからないから大丈夫!」と、新しい人を優しく迎え入れているのです。
編み物人口が増えるメリット(店舗維持・文化の継承)
そしてもうひとつ、多くのニッターが密かに願っていることがあります。
それは「編み物人口が増えてほしい」ということ。
Xの投稿にもありましたが、
- 毛糸を扱う実店舗が減らないでほしい
- 手芸店を支えるためにも編み物愛好家が必要
- 編み物文化が続くためには“新しい人”が欠かせない
といった声が多く上がっていました。
編み物は、歴史ある文化でありながら、時代の変化とともに専門店が減少する傾向もあります。だからこそ、
「編み物はお金がかからないよ、気軽に始められるよ」という言葉には、趣味仲間を増やして文化を守りたいという“優しい本音”も含まれています。
入口が広がれば広がるほど、専門店や毛糸メーカーの存続にもつながり、結果的に編み物文化全体を支えることになるのです。
初心者向け:お金をかけずに編み物を始めるコツ

編み物に興味はあるけれど、「道具をそろえるのが大変そう…」「続くかわからないのにお金をかけるのは不安」という方も多いはず。
でも実は、編み物は初期費用をほとんどかけずに始められる趣味です。ここでは、初心者におすすめの“失敗しない始め方”を紹介します。
① まずは100均で道具を揃えればOK
最初に揃えるべき道具はたったの3つ。
- 毛糸(2~3玉)
- かぎ針または棒針
- とじ針
どれも100円ショップで手に入るため、500円以内でスタート可能です。最近の100均毛糸はクオリティも高く、練習用としては十分すぎるレベル。
「思ってたより編みにくくて挫折…」というリスクを最低限に抑えられます。
② 動画で学べば無料で技術が身につく
編み方の基本は、書籍よりも断然“動画”が分かりやすい時代です。
- YouTubeには、初心者向けの手元動画が大量
- 再生速度を調整できる
- 何度でも見返せる
特に、かぎ針編みや簡単な小物の動画が豊富なので、初めての作品でも迷わず編み進められます。
③ マフラー・アクリルたわしなど「簡単で失敗しない」作品から始める
はじめの一歩に向いているのは次の2つ。
- アクリルたわし(毛糸1〜2玉で完成)
- マフラー(同じ編み方の繰り返しでOK)
どちらも形がシンプルなので、編み目が多少乱れても問題なし。練習しながら自然と上達していきます。
④ 道具にお金をかけるのは「続けたい」と思ってからでOK
SNSを見ると、初心者でも高級糸や針を買っているように見えますが、最初から揃える必要はまったくありません。
- 100均 から 国産メーカー へ
- 国産メーカー から 海外高級針 へ
というように、ステップアップは後からゆっくりで大丈夫。まずは「編むこと自体が楽しいかどうか」を確かめましょう。
⑤ 在庫を増やさないコツは“1作品ずつ仕上げる”こと
編み物を続けると、つい糸を買いすぎてしまうのが“沼の入口”。これを避けるには、
- 1つ完成させてから次の糸を買う
- 作りたい作品を決めて必要数だけ購入する
という習慣をつくるのがポイントです。これだけで、出費はかなりコントロールできます。
まとめ:始め方次第で、編み物は本当に“お金がかからない趣味”
工夫次第で、編み物は今でも十分に“低コストで楽しめる趣味”です。そして、ハマればハマるほど奥深い世界が広がっていきます。
まずは気軽に1玉から。その一歩が、あなたを新しいものづくりの世界へ連れていってくれるはずです。
“編み物は気軽に始められて、ハマると深い”趣味

今回、インタビューを受けた人の「編み物はお金がかからない」という一言は、編み物界隈に面白い波紋を広げました。確かに、100均で道具が揃い、動画で無料学習もできる現代では、編み物はとても始めやすい趣味です。
しかし、続ければ続けるほど、良い糸に出会い、もっと快適な針を求め、新しい技法に挑戦したくなる――そんな“沼の深さ”もまた、編み物の魅力。
つまり編み物は、入口は手軽で、奥は果てしなく深い。だからこそ初めての人も経験者も、それぞれの楽しみ方があり、お金をかけずに続けることも、こだわって投資することも自由です。
そして何より、「自分の手で作り上げる喜び」「過程そのものを楽しむ時間」は、お金では買えないかけがえのない体験。興味を持った人は、まずは毛糸1玉からでも大丈夫。気軽な一歩が、思いがけず素敵な“編み物の世界”へ案内してくれるかもしれません。
編み物は、今日から始められて、一生楽しめる。そんな魅力的で、あたたかい趣味なのです。