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睡眠負債の症状と解消法!睡眠負債の影響で病気や認知症にもなる?!
2017年の流行語大賞トップ10になった「睡眠負債」。
テレビや雑誌でも頻繁に解説されていました。
でも、睡眠負債は睡眠不足とどう違うのでしょうか。
睡眠負債になると、どんな症状・病気になるのでしょうか。
チェック方法や解消法は?
調べてみました。
睡眠負債と睡眠不足の違い
睡眠負債とは、毎日少しの時間の睡眠不足が積み重なる眠りの負債(借金)のことで、スタンフォード大学により提唱されました。
英語では「Sleep debt」。
普通の睡眠不足との違いは、本人に自覚があるかどうかです。
普通の睡眠不足は自分で睡眠不足と自覚していて、徹夜などのように1日単位の短期的なものです。
本人に「睡眠不足」という自覚があるので、積極的に解消しようとします。
それに比べ、睡眠負債は自分に睡眠不足だという自覚が無く、毎日ちょっとずつ積み重なる長期的なものです。
自覚がないので、いつまで経っても睡眠負債は解消されません。
睡眠負債のいちばんの問題は本人が気付いていないことです。
自分は毎日十分に睡眠がとれていると思って生活しています。
この睡眠負債の状態が長期間続くと、さまざまな病気に繋がることが研究結果から明らかになりました。
睡眠負債でなる病気
「布団に入っていてから、なかなか眠れない・・・」
「夜中に途中で目が覚めてしまう・・・」
などの睡眠障害から、睡眠負債は積み重なっていきます。
日本では5人に1人が睡眠障害と言われています。
睡眠時間も7時間前後が理想と言われているのに対し、日本人の平均睡眠時間は男性が6時間24分、女性が6時間18分(2015年国民健康・栄養調査から)と少なくなっています。
人間は睡眠することによって免疫力を高め、老廃物を除去します。
そのため、睡眠負債が長期間続くといろんな病気にかかりやすくなり、死亡率が上がってきます。
生活習慣病になる確率も1.5~2倍に上がります。
睡眠負債になると免疫細胞の働きが低下することにより、ガンになる危険性が高くなるだけでなく、免疫細胞がガンを育てるというような研究結果もあります。
また、睡眠が不足していると副交感神経より交感神経が働きやすくなります。
交感神経は血圧を高くするので、高血圧が原因で起こる病気である脳卒中や心筋梗塞が起きる危険性が高くなります。
そして、交感神経が働き続けると精神が不安定になり、うつ病やパニック障害、自律神経失調症などを引き起こす危険性があります。
睡眠不足なると肥満になるというのはよく言われていることです。
それは、睡眠不足になると血糖値を下げる働きがあるホルモンのインスリンの効きが悪くなるからです。
睡眠負債が続くと血糖値が高いままになるので、脂質異常や糖尿病にもなりやすくなります。
認知症も十分睡眠をとっている人よりも睡眠負債の人のほうが危険性が高くなります。
アミロイドベータは脳に溜まる老廃物で認知症の1種であるアルツハイマーの原因物質だと言われています。
そのアミロイドベータは睡眠中に脳から血管に排出されることがわかっています。
それが睡眠負債によって排出されないで、脳に少しずつ蓄積され、突然、認知症になってしまいます。
認知症患者予備軍は400万人と言われています。
そのうちの半分はアミロイドベータが原因のアルツハイマー型認知症だと言われています。
アミロイドベータは認知症になる前に調べてもわからない厄介な物質です。
日常生活への影響
睡眠負債は病気になるだけでなく、日常生活にも影響が出てきます。
睡眠不足になると脳の働きが悪くなるというのはよく知られている事実です。
睡眠負債は自覚がないまま、仕事や勉強などでミスが増え、効率が悪くなっていきます。
睡眠負債が2週間続くと脳が徹夜したのと同じくらいしか働かないという研究結果もあります。
それでも、本人は十分睡眠はとれていると思っているのです。
また、脳がちゃんと目覚めていないので、運動神経への情報伝達が低下して筋肉の動きが悪くなり、運動能力が落ちます。
睡眠負債で自動車を運転している人は判断も操作能力も落ちるので、たいへん危険です。
その他、ストレスに対して弱くなったり、何事にも無気力になったりして疲労しやすくなります。
睡眠負債のチェック方法
いちばん分かりやすいのが、目が覚めてから4時間後の状態を見ることです。
目が覚めてから4時間後というのは、脳が最も活動的になる時間です。
もしその時間に眠気があるようであれば、十分な睡眠がとれていないということになり、睡眠負債の状態であると言えます。
また、運動能力の状態を見ることでもわかります。
毎日、一人できる簡単な動作・・・けん玉やお手玉などをしてみて出来なくなってきたら、睡眠負債の状態が続いているのかもしれません。
もっと簡単な方法は手を水平にして目を閉じ、片足立ちしてみることです。
しっかり目覚めてないと体がすぐにふらついてしまいます。
30秒片足立ちできれば問題ありません。
片足立ちが苦手な人は目を開けて行ってください。
睡眠負債の解消法
睡眠不足を解消するためにしてしまうのが1日中寝ていることですが、これは逆効果です。
生活のリズムが乱れて、睡眠ホルモンである「メラトニン」が十分に出なくなって睡眠の質が落ちてしまいます。
睡眠の質が落ちると長い時間寝ても疲れが取れず、一日中、ボーッとしてしまい、体内時計を狂って体にも負担がかかります。
そして、次の日の朝、起きるのが辛くなります。
平日5日間で溜まった睡眠負債は休日2日間では返済できないと言われています。
特に布団やベッドの上でゴロゴロしていると、起きているときと寝ているときの区別がハッキリしないので、睡眠のリズムを乱します。
理想の睡眠負債解消法は、「いつもより1時間早く寝る」ということです。
生活のリズムは朝にリセットさせるので、1時間遅く起きるより1時間早く寝たほうが生活のリズムを乱しません。
また、睡眠のリズムは朝にポイントがあります。
朝、太陽の光を浴びると睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が止まり、脳がリセットされます。
メラトニンは太陽の光を浴びてから、15~16時間後に再び分泌が始まり、眠気がでてくると言います。
なので、朝起きて太陽の光を浴びることは生活のリズムを整える意味で重要なのです。
太陽の光は窓際で浴びても効果があります。
浴びる時間に関しては15秒~3分までいろいろな説があります。
あと、睡眠不足の解消でよく言われる昼寝ですが、30分以内なら脳が休めて夜の睡眠にも影響がありません。
ただ、昼寝は睡眠不足の解消にはつながりません。
睡眠負債は1日で解消するものではありません。
毎日、自分に合った睡眠時間を確保して、質の高い睡眠をとることが大切です。
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