冬至にカボチャを食べる理由は?風習の由来とカボチャの栄養

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あなたは冬至にカボチャを食べますか。
 
私は子供の頃、「冬至にカボチャを食べると一年間、風邪を引かなくなるんだよ。」と言われ、食べさせられた記憶があります。
 
地域によってカボチャの言い伝えが違うようですが、なんで冬至にカボチャを食べるのでしょうか。
調べてみました。
 
 

冬至にカボチャを食べる理由

冬至にカボチャを食べる2つの理由
 
冬至にカボチャを食べる風習は関西地方から始まりました。
 
そして、この風習には「運盛り」と「陰陽思想」の2つが影響しているようです。
 

運盛り

 
冬至の日に「ん」の付く食べ物を食べると1年間、運が良くなる。
 
これは、関西地方にある「運盛り」という縁起担ぎの言い伝えです。
特に「ん」の2つ付く食べ物は「幸運」が重なって、より運が良くなるということです。
 
でも、カボチャには「ん」がありませんよね。
 
カボチャが初めて日本に持ち込まれたのは、1541年。
漂着したポルトガル人が領主に献上したのが最初です。
 
このときのカボチャが「カンボジア産」だったために、「カボチャ」という名前になりました。
 
その後、貿易によって中国の南京経由で輸入するようになると、関西地方では南京かぼちゃや南京瓜と呼ばれるようになりました。
それが、南京ということ言葉自体がかぼちゃを指すようになっていき、漢字も中国でカボチャを表す「南瓜」が当てられました。
 
なので、関西地方ではカボチャは「ナンキン」という「ん」が2つ付く食べ物なのです。
 
カボチャが冬至に運盛りの食べ物として選ばれたのは、各家庭に保存食としていちばん身近にあったことも理由の一つです。
 
また、冬至に「ん」が2つある食べ物を7種類食べると出世するとも言われています。
 
下記の7種類の「ん」が2つ付く食べ物は「冬至の七種(ななくさ)」と呼ばれています。
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  • 南瓜(なんきん、かぼちゃ)
  • 蓮根(れんこん)
  • 人参(にんじん)
  • 銀杏(ぎんなん)
  • 金柑(きんかん)
  • 寒天(かんてん)
  • 饂飩(うんどん、うどん)
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    冬至の七種は春の七草になぞられて、「冬の七草」とも言われています。
     
     

    陰陽思想

     
    宇宙の万物は全て陰と陽の二つのエネルギーで構成されている。
     
    この考え方が陰陽思想です。
     
    陰陽思想では、陰と陽がバランス良く合わさっている状態がいちばん良い状態とされています。
     
    昼間がいちばん短い冬至の日は陰が一年でいちばん強い日とされ、バランスが良くない日とされています。
     
    そこで、陽のものを体の中に入れて、つまり、食べて陰と陽のバランスを整えようとしました。
     
    カボチャには陽の要素が3つも入った陽の強い食べ物なのです。
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  • 南から来た食べ物(南が陽)
  • 夏野菜(夏が陽)
  • 実が赤い(赤が陽)
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    また、赤い色は邪気払いの効果もあるとされています。
    小正月(1月15日)に赤い小豆がゆを食べるのも邪気払いの意味があります。
     
    3つの陽の要素を持ち、邪気払いもできるカボチャは陰が強い冬至に食べるピッタリの食べ物だったのです。
     
     

    冬に夏野菜のカボチャを食べる理由

    日本カボチャは収穫直後に食べてもマズイ
     
    カボチャは夏から初秋にかけて実る「夏野菜」です。
     
    長期間保存できることから、冬にカボチャを食べるという人もいますが、それとは別の理由もありました。
    それは、収穫してすぐは、まずくて食べようとは思わなかったのです。
     
    現在、カボチャの品種の主流は西洋カボチャで、収穫してすぐに食べても甘くておいしいです。
     
    しかし、当時の品種は「日本カボチャ」。
    収穫した直後は実の水分が多く、デンプン質でおいしくなかったのです。
     
    また、皮が厚くて堅く、料理するのも難しかったと思います。
     
    低温で長い時間加熱すれば甘味も増しておいしく食べられるようになりますが、江戸時代は薪で調理していたため火加減が難しく、一般の家庭では無理でした。
     
    デンプン質がカボチャに含まれる酵素によって糖に変化し、おいしく食べられるようになるのは、収穫した2~3ヵ月後になります。
     
    初秋に収穫したカボチャが、おいしくなるのがちょうど冬至の頃なのです。
     
    秋に収穫したサツマイモが冬によく食べられるのも同じ理由です。
     
     

    風習が広がったのは明治時代

    冬至にカボチャを食べる風習は主に関西地方だけでした。
     
    それが全国に広がったのは明治時代以降。
     
    明治維新で東京に都が遷ると、関西の人がやってきて冬至にカボチャを食べる風習は東京に広まっていきました。
    そして、東京に出稼ぎに来ていた人が地元に帰り伝え、全国に広がりました。
     
    地方では地元の野菜などと一緒に調理してカボチャを食べる料理が考えられたようです。
     
     

    カボチャの栄養

    実際にカボチャにはどのような栄養があって、どんな働きが期待できるのでしょうか。
     
    カボチャには体内でビタミンAになるβ-カロテンやビタミンC、食物繊維が含まれています。
     
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  • ビタミンA
  • 粘膜を強くして細菌やウイルスの侵入を防いで、喉や肺などを守る働きがあります。

  • ビタミンC
  • 美容効果は有名ですが、健康面では免疫力を高める働きや生活習慣病を予防する働きがあります。

  • 食物繊維
  • 腸内環境の改善や便秘解消の働きがあります。
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    もちろん、冬至の一日だけカボチャを食べても栄養の働きは期待できませんが、冬至の日の縁起物としてにカボチャを食べてみませんか。
     
    一年間、幸運が重なって、無病息災になるかもしれませんよ。
     
     
    >>冬至って、いつ?「日の出」と「日の入り」の時間は冬至が一年でいちばんじゃない事実!?
     
    >>冬至の風習「ゆず湯」の由来と効果|ゆず湯に入ると風邪をひかない理由
     
     
     

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